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原油の『協調減産』とは?内容をわかりやすく解説【ニュース・時事解説】

/ コーヒー

たびたびニュースで、「原油の協調減産」という言葉があげられます。一時期これにより大きく相場が変動したことがある上に、今後も影響が考えられる内容ですので、しっかりと原理や仕組みをおわかりやすく解説します。

協調減産とは

「協調減産」とは、原油の産油国で協力して、世界での原油の産出量を減らすことです。2017年6月現在、OPEC(石油輸出機構)は、OPEC非加盟国も含めた24か国の産油国で、各国の原油生産量に上限(生産枠)を設定し、全体での原油の生産量を調整するルールを決めています。

「事実上の協調減産(産出量を減らすこと)」であり、これを協調減産といいます。2016年12月に、OPECとロシアなどの非加盟国の主要産油国が会合を開き、世界の原油生産高をの2%近く削減することで、原油市場の需給の改善をねらっています。

 

それまで新エネルギーの進出により、各国好き勝手に生産していた

近年、原油の代替エネルギーとなりうる、「シェールガス」が市場に出回ってきました。もちろん、現在の原油のシェアを奪われることにつながるため、産油国はそのままにしていいわけがありません。

そこで、サウジアラビアなど主要産油国は、「たくさん原油を生産することで、原油の価格を下げ、シェールガスが付け入る隙を与えない」という策で対抗しました。

これは、「現在のシェールガスは産出コストが高い」という点をついた作戦です。極端な言い方をすれば、多少赤字になってしまったとしても、シェールガス業者が、業界から撤退するまで、安くたくさんの原油を生産させることを狙っていました。

 

超過供給の作戦はもろ刃の剣であった

しかし、この大量に生産するという作戦は、「シェールガスが業者が撤退したあとに、再度利益を上げるまで原油価格を上昇させる」ことが必要となります。

しかしここには、一時的にシェールガス業者を撤退させたとしても、再度業界に参入してくれば、また厳しい状態に立たされてしまいます。

言い換えると、「原油価格がシェールガスの価格を上回ってしまうと、シェアが奪われる可能性がある」というリスクがあるのです。

そのため、産油国は、シェールガス業者に対し、「結果的に消耗戦になり、再度進出したとしても、十分なリターンを回収できない」と、思い込ませる必要がありました。

過剰供給作戦はうまくはいかなかった

しかし、その原油を過剰に供給する作戦は、うまくはいきませんでした。

アメリカが改めて、原油を再生産を開始したほか、シェールガスの生産コストも、徐々に安くなっていきます。

そんな中で、原油に国の収入を依存している産油国は、原油価格が不安定なままでは、国の経済が非常に厳しい状態に立たされてしまいました。

OPECは一枚岩ではない

このままでは産油国の財政が悪化する一方のため、全体で産油量を調整し、原油価格を調整する必要があります。

しかし、減産調整に移りたくとも、OPECという組織は、一枚岩とは言いにくい組織でした。

その一つとして、「サウジアラビアとイランの対立」があげられます。

もともと、イランは各国から経済制裁を受けていたことにより、経済的に厳しい状態に立たされてました。そのような状態の中で、産油国全体で、産出量を調整しなければならないにもかかわらず、イラン一国で考えれば、減産をする理由がありません。同時にサウジアラビアも、イランに自国のシェアを奪われることにつながるため、いいイメージがある可能性は低いです。

そんななかで現在の協調減産は、イランが増産凍結に加わるのであれば、サウジアラビアは減産する用意ができているという、「サウジアラビアが一歩引く形」で今回は合意となりました。

 

いつまで協調減産を行うのか

2017年5月のOPEC総会において、「2018年3月まで、協調減産を行うことが決定され協調減産がスタートしましたが、2017年11月のOPEC総会で、2018年末まで延長することが決定しました。

さらに、2020年3月まで延長されたのち、2022年4月まで協調して減産をする方針が表明されました。

なお、2020年3月には、サウジアラビアとロシアが対立して、一度合意がまとまらないなど関係性に問題もみられるほか、歴史上「生産枠がを設定したところで、守られない国がでてくる」可能性も指摘されています。

なお、減産しても需要の縮小などにより、原油価格は下落する可能性を秘めています。

今後も、原油価格にかかわるニュースには、注目する必要があります。