7月4日の北朝鮮ミサイルの『ロフテッド軌道』は何が脅威なのか?【0からでもわかりやすく】
2017年7月4日、北朝鮮は、ミサイル発射実験後、「重大発表」として、ICBMの発射実験を成功したと発表しました。
そしてこのミサイルは、今までの北朝鮮のミサイル実験に比べ、非常に大きな脅威を持っています。
これがどういった問題なのか、
なぜこのタイミングで発射したのか
何がいままでのミサイル発射と違うのか、
しっかり理解していきましょう(^^)
今回のミサイル発射も、アメリカ などに向けたけん制か
北朝鮮は、「自分たちが持つ兵器を、海外にアピールし、有利な条件で外国と交渉を進める」ためにこういったミサイル発射実験を行ってるといわれています。
7月4日は、アメリカのインデペンデンス・デイ(独立記念日)であり、昨年2016年も北朝鮮はミサイル発射を行っていました。
さらに今回は、
- 6月30日に、アメリカと韓国で「核問題の解決のために最大の圧力をかける」と確認したとの報道
- 7日~8日にG20首脳会議が予定されている
ことも、北朝鮮の今回の軍事力のアピールのタイミングとして考えられます。
なお、北朝鮮の政府関係者は、「北朝鮮のミサイルを担当する戦略軍の創設記念日であり、他国の都合は関係ない」としています。
北朝鮮は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の成功が本当なら世界中が射程範囲内
今回北朝鮮、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を成功したと発表しています。
このICBM(大陸間弾道ミサイル)が本物であれば、
「アメリカやロシアなども、有効射程圏内に入る」こととなります。
また、あくまで北朝鮮が主張しているだけであり、その真意は確実ではありませんが、次の日の5日に、アメリカのティラーソン国務長官が、ICMB(大陸間弾道ミサイル)である可能性が高い」としています。
☝ICBMは、弾道ミサイルの中では最も有効射程範囲が広い
よくニュースでは、今回のICBM(大陸間弾道ミサイル)、IRBM(中距離間弾道ミサイル)などと、様々なものが言われていますが、これは基本的には「有効射程距離で分類」されています。
今回のICBM(大陸間弾道ミサイル)は、有効射程距離5500キロ以上と定義されており、地球のどこであろうとほぼ攻撃射程範囲に入ることとなります。
ロフテッド軌道といい、迎撃が難しい可能性がある
今回の北朝鮮のミサイルは、「ロフテッド軌道」という軌道を描くミサイルである可能性が指摘されています。
このロフテッド軌道の特徴として、「迎撃が非常に難しい」ことがあげられます。
すなわち、もしかすると、上記のICBM(大陸間弾道ミサイル)である可能性も含めると、「世界中が攻撃対象内」であり、迎撃が難しいという、可能性を秘めています。
☝宇宙空間を通ってくるため途中で迎撃できない
ロフテッド軌道は、まず、大きく上に上昇し、非常に高い高度を保ち目的地に接近します。
この移動中の高度は迎撃システムの迎撃可能な範囲を超えているうえに、非常に早い速度で(一説では秒速7km)目的地に落ちてくる」ため、これであれば迎撃が非常に難しいといわれています。
しかし、こういったミサイルは、
「発射した瞬間ある程度の落下地点が推測できる」ため、発射した瞬間に北朝鮮内で打ち壊すことも不可能ではないですが、
それは北朝鮮内にミサイルを撃ち込むこととほかならず、先制攻撃ともとらえられ、国際的な非難も含め様々な問題が発生します。
北朝鮮は今回のICBM発射から、ある程度どこも攻めてこないと考えている可能性も
今年に入り、北朝鮮は何度もミサイル発射実験を行っていますが、「アメリカなどが直接的な軍事行動に出ないように、挑発の限度は調整しているように考えられました。
たとえば、6回目となる核実験、今回発射したICBM(大陸間弾道ミサイル)の実用化などは行っていなかったものの、今回、そのICBMの発射に踏み切っています。
ここには、
- アメリカ人も多く住む、韓国や日本への反撃が来るリスクを負ってまで、北朝鮮には攻めてこないと考えた
- 中国は、北朝鮮の経済状態が厳しくなれば、北朝鮮から難民が流入する可能性があるため、対応に迷っているなか、アメリカは対中路線に舵をきった
ことなども、タイミングとして考慮したと考えられます。
核弾頭の小型化に成功している模様
8月8日、アメリカのメディアが、
「北朝鮮の軍事的な脅威は多くの専門家の予測よりはるかに急速に拡大している」と指摘されています。
北朝鮮が、今回のICBM(大陸間弾道ミサイル)に、
核弾頭を大気圏に再突入できる技術を持っているかは現在のところ不明確なものの、
近いうちに確保するのではと言われています、