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トランプ大統領の「イラン核合意離脱」についてわかりやすく解説!

/ IMC事務局

2018年5月8日、トランプ大統領は「イラン核合意を離脱する」大統領令に署名しました。
このニュースがどういうことなのか、経緯や意味、今後の焦点までわかりやすく解説致します。

 

イランが核を開発しているのではとの疑いから始まった

もともとこの「イラン核合意」は「イランが核開発をしているのでは」という各国の疑いから始まりました。2002年にイランにおいて、核開発をしているとされるウラン濃縮施設を秘密裏に設置していたことが発覚したためです。

最初こそは「平和利用のため」としていましたが、アフマディネジャド政権が核開発を推進していることが明らかになります。

もし「イランが核を所持している」ということになった場合、世界各国の関係性、特に中東情勢に大きな影響を与えてしまいます。そのためイランの核開発を阻止するために国際社会は、イランに対して経済制裁を行っていました。

 

☝イランが核を保有してしまった場合…

イランは、隣国であるサウジアラビアとは宗教的にも、国家間の対立関係にあります。
「シーア派・スンニ派とは?」

もしイランが核兵器開発を始めた場合、その敵対関係にあるサウジアラビアにも、「イランが核を開発しているため、自国も開発する」という核武装の口実を与えてしまいます

ほかにもアメリカの盟友であるイスラエルに関しては、イランは存在すら認めていないほどのかなりの敵対関係にあります。これはイスラエルによる先制攻撃の理由になりかねません。

ほかにも、シリア内戦など多くの問題を抱える中東情勢において、イランが核武装することで各国が核開発競争に至り、大きな戦争に発展してしまう可能性すらあるのです。

 

 

イランが核開発能力を制限する代わりに、経済制裁を解除した

イランに対しての経済制裁は2015年に米英仏独中露の6カ国とイランが「包括的共同行動計画」で合意に至ることで終了します。

この合意を簡単にいうと、「イランが核弾頭1発分を生産するのに最低1年以上はかかるように制限するかわりに、主要国はイランに対する経済制裁やイラン産原油の取引制限などを解除する」というものです。

しかし悪く言えばこの核合意は、イランが核開発を行う可能性がなくなったわけではありません。

そのため、この合意自体にサウジアラビアやイスラエルは不完全なものと反発していたほか、トランプ大統領は選挙期間中からこの合意の離脱を主張していました。

 

 

アメリカのイラン核合意離脱はある程度想定内だった

上記のように捉え方によっては不完全といえるこのイラン核合意に対して、親イスラエルであるトランプ大統領は、選挙期間中から合意の離脱を公約にしていました。
さらに、2018年の1月には、「枠組みを変えない場合はこの離脱を抜ける」という主張もしています。

さらにトランプ大統領は、イラン核合意離脱に反対し、合意の維持を主張していたティラーソン国務長官やマクマスター大統領補佐官を更迭し、それぞれが対イラン強硬派に交代しました。

この時点で「トランプ大統領がイラン核合意離脱に動く可能性が非常に高い」と噂されており、市場でも備える動きが広がっていました。

そのため、合意離脱を表明した当日でも、世界全体の株式市場に対する影響は一時的なもので収まりました。

 

 

 離脱したアメリカに対する見方は厳しいものが多い

トランプ大統領

トランプ大統領は合意離脱に伴い、イランに対する経済制裁の再開を表明しました。

当然ながらこの離脱表明に対して、欧州各国やイラン、この合意を締結したオバマ前大統領は猛烈にしています。
さらにイランから原油を多く輸入している中国など、他の合意参加国が、米国による制裁再開に同意する可能性も、現時点ではそこまで高くはありません。

イランのロウハニ大統領は、「アメリカ以外での核合意の枠組みで妥協する可能性を残した上で、状況によってはウラン濃縮施設の再開も辞さないと主張しました。これによりイランと国内で米国に対する強硬派の勢力が強まる可能性があります。
ここにトランプ大統領は、「アメリカとイランの関係が悪化しても構わない」と主張しています。

 

トランプ大統領の目的は…?

トランプ大統領は、この核合意に関しては、イランが核開発だけでなく、弾道ミサイル開発なども含めた新しい枠組み作りを目指しています。
軍事力を縮小させつつ、経済制裁によって、イラン経済を疲弊させ、中東での影響力を抑えこもうとしているといわれています。

ほかにも、2018年6月に予定されている「米朝会談」において、北朝鮮に対し「核開発などはいかなる形でも認めない」というメッセージいなったほか、11月に控える中間選挙に向けて、国内支持層向けアピールとの見方もあるようです。

現時点では株式市場に大きな影響もないほか、日本の原油輸入に関してはそこまで影響はないと考えられていますが、今後の展開次第では、地政学リスクの上昇などが大きく懸念される可能性もあります。

慎重に情報と相場の反応を見極めていきましょう。