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脱時間給制(残業ゼロ法案)とは?学生でもわかりやすく解説【ニュース・時事解説】

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脱時間給制(残業ゼロ法案)とは?
学生でもわかりやすく解説
【ニュース・時事解説】

日本政府が、「脱時間給」制度の現行案を修正し、労働基準法改正の成立を、秋の臨時国会での成立を目指すという報道がでました。

今後、日本の働き方を大きく変化させる可能性がある重要な法案であり、皆さまの働き方にも大きく影響する可能性もありますので、しっかりと押さえておきましょう(^^)

 

「脱時間給」とは?ざっくりと理解

脱時間給制度とは、「特定の仕事をしている人には、働いた時間ではなく、上げた成果に応じて給料を支払う制度」です。

欧米などでは導入が進んでいるなか、日本で以前導入が検討された際には、「残業ゼロ法案」として世論の大きな批判を受け、見送られることになりました。

なお、年収1075万条の金融ディーラーなどの、「特定の仕事をする」一部の人に導入されるものであり、すべての人に適応されるわけではありません。

 

「脱時間給」とは、現在の労働時間に関する適応を外すこと

脱時間給制は、この労働時間に関する規定を、
該当する労働者には適応させない制度とも言い換えることがでます。

☝現状の日本の労働時間規制

藤堂基準監督庁

現状の日本の労働時間に関する規制は、大きく分けて3種類に分類され、さらにそれを柔軟に対応できるように、様々な制度が導入されています。

ちなみに日本の労働時間に関する規制は、世界的にみてかなり厳しいほうだともいわれています。

①実際に働いている時間の規制

現在の日本では労働時間を、『1 日8 時間、週40 時間』を法定労働時間として定めており、これを超える労働を原則禁止しています。

②仕事から解放する時間の規制

2つめが、「労働をさせない時間の規制」です。業務中の休憩にあたる規制や、休日に関する規制などが制定されています。

 

③残業代に関する規定

3つめが、残業をさせた場合、その時間に応じて通常よりも多めに給料を払う制度です。
法定時間外労働に対して25%、月60 時間を超える法定時間外労働には50%, 休日労働に対しては35%多めに支払うよう定められています。

 

☝これらが柔軟に利用されている

上記の①~③に加え、仕事の忙しさの時期によって時間を調整する「変形労働時間」や、程度の範囲の中で、労働者が時間を調整できる「フレックスタイム制」、実際に働いた時間ではなく、先に決めておいた時間働いたとみなす、「みなし労働」など、上記の労働時間に関する法律が、柔軟に利用されています。

しかし、「日本の労働時間に関する規制は非常に複雑」になっているともいえることができます。

 

「脱時間給」は、
決して新しい制度ではない

現状の法律でも、「脱時間給」に近い状態の労働者である人もいます。

 

例えば、現状でも「管理職」の立場にある人には、「経営側と同じ目線にある」という形から、労働時間や残業代といった制度が適用されません。
※これに関し、管理職の定義が曖昧であることから、「名ばかり管理職」という問題が出てくることとなってしまいました。

 

今回の脱時間給制も、「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」と言われているように、すでにアメリカでは導入されています。

 

 

脱時間給導入の理由

引き続き日本の脱時間給の導入の理由について考えていきます。

 

☝働いた時間=成果ではない

現状の労働時間に関する規制が登場したのは、労働基準法が成立した戦後間もないころであり、例えば工場勤務のような、「製造業」がベースになって考えられてきたと言われています。

工場であれば、働いた時間で成果が計算しやすいです。
しかし、時代や仕事の変化により、成果と働いた時間が比例しない人も多くなりました。

極端な話ですが、ゆっくり働いても残業代を支払わなければならないのであれば、成果で給料を決めたいと考えるのは、経営者側の立場であれば当然と考えられます。

 

☝年功賃金が順応していない

日本的企業の特徴の1つともいわれている、「年功賃金」は、必然的に中高年層の人件費は拡大していきます。

さらに、すべての人が年功賃金を受け取るには、必然的に企業が成長し続ける必要があり、日本の経済成長率から考えると限界が考えられます。

近年年功賃金を廃止する企業が出てきていますが、解雇に関して世界的にかなり労働者に有利な日本においては、この年功賃金の効果を下げることで、大きな固定費となる人件費を下げたいという考えもあると考えられます。

 

☝新しい働き方が出てきている

ITやサービス産業の拡大などで、産業構造事態が大きく変化しており、働く時間帯を自由に決めたいという人も増えて来ています。

「ノマド」とも呼ばれる人が増えてきているように、会社にわざわざ出社する必要がない仕事も増えてきました。

 

 

脱時間給導入が検討されている職種

現在のところ、脱時間給制は、年収1075万以上の

  • 金融商品を開発する人
  • 証券アナリスト
  • 証券ディーラー

などの高度専門職を対象に考えられています。

ちなみに、ほかにも、システムエンジニアや研究者を対象に、現在の裁量労働制の範囲を拡大するものも上がっています。

 

脱時間給が導入されると?

脱時間給の導入による結果は、専門家によって意見が分かれています。

現状、日本は世界の中でも非常に長い時間働いているといわれていますが、さらにそれを助長させてしまうとする説や、逆に少なくなるという説など、賛成派も反対派も様々なものがあり、まだ導入されるかはわかりません。

日本は「Karoushi(過労死)」という言葉が世界共通語になるなど、労働に関して法律実態が大きく離れてしまっています。

 

ほかにも、日本の雇用問題には、

  • 仕事ができる人ほど、結果的に長時間労働になっている
  • 統計的に年休未消化やサービス残業が、昇給などにより補てんされている
  • そもそもなぜ長時間労働になっているのかわかっていない

など、様々な問題が残っています。

 

もちろん導入されたとしても、
そのあとに様々な職種に適用されていく可能性もあります。
基本的に、「法律は実態に遅れて制定される」ことは覚えてきましょう。